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生まれ育った香川に戻りたい

徳倉康之さん :高松市在住・2015年移住・30代

徳倉さんご家族

夫婦ともに高松市出身で、元々、生まれ育った香川に戻りたいという思いがありました。

 Uターンを考えた時、まず気になるのは仕事のことだと思います。

 私は講演の仕事が多く、拠点を高松にと考えた時、高松は飛行機にしても新幹線にしても交通アクセスがよく、移動しやすい場所でした。 東京まで飛行機で1時間半、瀬戸大橋を渡って岡山に出れば新幹線も利用できます。また、インターネットができる環境があれば、仕事は会議はネット会議で充分事足り、 どうしても東京にいなければいけないという理由はありません。妻は専門医としてキャリアを積んでいるので、どこに行っても働く場には困ることはない、ということで2人にとっての仕事に関する問題はクリアになりました。
 手に職がある人がふるさとに戻る。関東など都会で培ったキャリアを故郷に持って帰り、故郷で活かす。それが今後の「移住」と「仕事」のいい関係ではないでしょうか。
 「では、いつ香川に戻るのか」そのタイミングについて夫婦で話し合いを続けていました。

きっかけは?

 「いつ香川に戻るか」を考える時、自分たちの親のことと子どものことを考えました。
自分たちの親と子どもと、みんなで食卓を囲めるのはあと何回あるだろう?
 現在、75歳以上の要介護認定の割合が33%を超えています。私たちの両親もすでに60代、将来的に介護の可能性がないとは言えません。 しかし、親の介護が必要になった時点で準備をして香川に戻る、それはきっかけとしてポジティブではないと思ったのです。 それに、おじいちゃん・おばあちゃんと孫の関係を考えた時、「仲良く触れ合えるのはこどもが小さい今の時期を逃せば難しいのではないか。こどもが大きくなり、思春期になってから、香川に戻るのでは、親しみは沸きづらくなるのではないか。」そう感じました。
 また、長男が小学校に上がるタイミングが今年だったこともきっかけになりました。小学校に入学して、なじんでから転校するよりも、今のタイミングで香川に戻ろうと思いました。
 香川に戻ることを決めてからずっと考えていた「みんなにとって一番HAPPYなタイミングはいつか」
 それが今だったのです。

住んでみて思ったことは?

 仕事がら全国の子育て環境を知っていますが、香川はとても子育てがしやすい環境です。 それぞれの年代に合わせて使える施設が充分整備されており、こどもが走り回ることができる大きい公園が近所にもたくさんあります。私のこどもたちの年代は遊具より走り回れる広いスペースがあるほうがいいのです。安心して遊べる広いスペースのおかげで、こどもに対して「危ない!」と声をかける回数が高松にきて格段に少なくなりました。
 また、共働きの私たちにとってとてもありがたいのが、こどもたちを預けることができる環境が整っていることです。待機児童は関東に比べると圧倒的に少なく、学童保育も「いつでも入れますよ」と言われました。これは驚きです。都会では「小1の壁」と言われるように、学童保育はなかなか入れないのです。
 移住は私のキャリアにとっても大きなインパクトになりました。自分で体感しているからこそ、伝えられることがあり、言葉にも説得力がある。子育てとともに、移住についての講演依頼も増えました。

移住を考えている方へ

 高松は、子育てのしやすさはもちろん、コンパクトシティと言われるように買い物やおでかけに不便さを感じることがありません。必要なものは揃っていて困らない環境です。 また、高松市内の商店街やサンポートなど、高校卒業後、香川を離れた頃の風景と比べると、その違いに驚きます。瀬戸内芸術祭や週末に行われるサンポートのイベントなど、住んでいる自分たちが楽しもうという気持ちが見えます。先にUターンで香川に戻ってきた人や香川に残った若者、香川に移住してきた人、いろんな人が「香川っていいな」と思えるしかけを作ってくれています。 20代~30代前半を都会で過ごして帰ってくるにはちょうどいい街だと感じています。

2015年6月現在