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香川で暮らそう

福井大和さんご家族:高松市在住・2014年移住・30代

福井大和さんご家族

自分たちで環境をつくっていくことが楽しみ 一年に一家族、島に暮らす人たちが増えるとうれしい

 この春、大阪から家族3人で男木島おぎじま(高松市)にUターンする福井大和ふくいやまとさん。きっかけは男木島のホームページ作りを手伝うため、瀬戸内国際芸術祭会期中の8月に3週間、男木島の祖父母の所に滞在したこと。そこで「島で過ごして、ここならITの仕事をしながら、家族とゆっくり過ごすことができる。やっていける!」と島での生活が自然とイメージできたそう。
 奥さんの順子さんは、福島県出身。12年前「初めて男木島を訪れた時、この島が好きになりました」と語る。海と夕日の美しさ、「次からは、ただいまと言って帰っておいで」と言ってくれる人々の優しさに感動した。「リタイアした後、島に住みたいと二人で話したこともあったのですが、今、娘が小・中学校時代を男木島で暮らすことに意味があるよねって」。
 さっそく休校中の男木小中学校を再開させるため島の友人に相談。島民143人と学校のOBら738人の署名と要望書を市長へ手渡した。
 そして今春、男木小中学校が再開する。福井さん一家のほか、同じく芸術祭をきっかけに移り住む2世帯、高松市内の小・中学校に通っていた子どもを合わせ6人が通う。
 「島の人口減少のスピードを考えれば、今すぐにでも仕事や空き家の有効利用をしていかなくては」と空き家の整備に向けた活動を始めた大和さん。順子さんは誰でも気軽に集まれて、働く体験を実際にしてもらう場をつくりたいと、使われていない旅館を活用し、ワークスペース機能を付加した民間図書館を計画中だ。娘のひなたちゃんも、引っ越しの準備に大はりきり。
 「近所の人から頂く野菜や魚はおいしいし、島に無い物はインターネット通販で手に入ります。東京や大阪へのアクセスも簡単で生活の不便は感じません」と福井さんご夫妻。
 「子育て世代が島に移住してくれれば」と島のにぎわいに夢が膨らむ。

「新・さぬき野」2014春