移住体験談

子どもを育てる場所に直島を選んだ山岸正明さん

山岸正明さん(島小屋|BOOK CAFÉ & TENT STAY):直島町在住・2015年移住・30代

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直島で子どもを育てたいという想いで直島に移住した山岸さん。
ブックカフェとテントステイを楽しめる「島小屋」を2013年にオープン。
島小屋 http://shimacoya.com/

移住のきっかけ

 東京生まれの東京育ちで、郊外に移住したい気持ちはあったけれど、これといってきっかけがないまま過ごしていました。でも、子どもが生まれて、顔を見た瞬間、「移住するなら今しかない!」と決心がつきました。

 移住先に求めたのは、地震が少ない、伝統文化がある、老若男女人付き合いがある、自然環境がよい、などでした。いろいろな地域を巡って、最終的に直島を選んだ理由は、直島の人の人柄ですね。

 10年前、旅行で直島に来た時に、当時は飲食店も少ないうえに、ちょうど正月でお店も閉まっていて、地元のものが食べたいのに食べるところがなく、道端に車を停めて困っていました。その時に偶然通りかかった中学生が声をかけてくれて、困っている理由を話すと、すぐに家に引き返し、家にあったお寿司を持ってきてくれたんですよ。都会ではないことですよね。うれしい反面、どうしてこんなことをしてくれたのだろう、という疑問もありました。移住先を探して8年前に再び直島を訪れた時に、その謎が解けました。直島の宿のおじさんが直島の名前の由来を教えてくれたんです。崇徳上皇が讃岐国へ流された時、3年間、直島で過ごしたんですが、その時に、島民の純朴さ、素直さを賞賛して島の名前を真島から直島に変えたという言い伝えがあります。その話を聞いた時に、納得したんです。直島には1000年前から、困っている人がいたら手を差し伸べる伝統文化があるんです。子どもを育てるならここだ!と思いました。町ぐるみで子どもを育てる環境が直島にはあります。

「島小屋」という場所

 直島に移住を決めて、まず住むための家を探しました。「島小屋」ができる以前にこの建物を持たれていた所有者さんと出会って話をして、この建物の屋根と瓦を見た時に「ここにしよう!」と思って、その場で交渉しました。当時は電気、ガス、水道、トイレ、風呂がなく、自分たちで手直ししながら、2013年8月に「島小屋」をオープンしました。仕事は何でもいいと思っていましたし、お試しで事業を始めてみようと。私自身は東京で仕事を続けつつ、週末に直島に通い、先に直島に移住した妻に「島小屋」を運営してもらいました。東京での仕事は重要な資金源なので、直島での暮らしの目処が立つまで辞める気はありませんでした。完全に移住したのは2015年です。

「島小屋」は建物内にテントを張ってシュラフ(寝袋)で寝ます。旅や音楽のフェスも好きで、テント暮らしが身近にありました。だから「島小屋」を始めるときに、テント泊というアイデアが自然に出てきました。山小屋と同じ感覚ですよね。集まる人がみんな同じベクトルなので、これが可能なんです。旅・音楽・アートが好きな感度が高い人が集まる場になっています。外国人観光客も多いですよ。アウトドアが好きな人、古民家が好きな人など共通点があります。そういう人たちに日本にいながら知り合えます。定住しているのにまるで旅をしているような暮らしです。「島小屋」をやっていて、いいスパイラルしかない。感謝しています。

地域おこし協力隊としての活動

 地域おこし協力隊としての仕事は主に空き家バンクの体制づくりと移住・定住希望者のためのwebサイト「直島カラーズ」の運営です。直島に移住するまでずっと建築関係の仕事をしていたので、それを活かして空き家の掘り起こしをしています。少しずつ情報が出てきて、登録物件も増えてきています。これまでの成約数は4件で、何もないところからはじめて、この実績を残せたのはまずまずではないかと思っています。Webサイト「直島カラーズ」では空き家バンク、仕事、体験、島の情報の4本柱で情報を発信しています。直島の人口が増加しなければ、今の街並みを維持できません。今のままをどれだけ継続していけるか、いかに維持していくことができるかが大切だと思っています。もちろん、古いものをただ大事にするだけでなく、大切にしながら新しい風を吹き込んでいければと思います。1人でも多くの方に直島に移住して頂けるように直島の移住に必要な情報を届けていきます。
 
 都会から直島に移住を考えるなら、島のスピードにあわせることが大事ですね。結果を求める都会のスピード感と直島のゆったりしたスピード感は当然違います。どちらもわかるので、間に入って調整するのが仕事だと思っています。島の外から来た人がわからないことを伝えていきたいです。


(2016年7月取材)

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