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移住体験談

地域で育つ食材の魅力を伝えたい 「季節を食べる食卓numar」をオープンした淵上さん夫妻

淵上さん:まんのう町在住・2015年移住・30代

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自然や食材にあふれた里山で、愛犬ふーちゃんと暮らしている淵上さん夫妻。
まんのう町にカフェレストラン「季節を食べる食卓numar」を2015年にオープン。

■料理人になるきっかけ

 福岡県で産まれ幼少から18歳までを丸亀で育ちました。その後、香川大学の経済学部に進学したんですが「経済を勉強するよりも、ものをつくる仕事がしたい」と思ったんです。ものをつくる仕事の中で思い浮かんだのが料理でした。2回生の頃大学を休学して上京しました。両親の実家が東京にあったということもあり祖父母がご飯を食べさせてくれる時もありました。もっとも、両親から祖父母に家には泊めないようにとの通達があったので、当時は公園で寝泊りすることもありました。
 それまで飲食での経験はなかったんですが東京国分寺の鳥専門店に飛び込み修行を始めました。自由に生きていくにあたって手に職をつけたかったんです。また、母が栄養師だったので味に対する興味は強かった、というのも料理の世界に飛び込んだ無意識的な要因のひとつだと思います。
 最終的には大学を中退して東京の料亭や大分の湯布院で修行を続けました。

■住居兼店舗探し

 和食を数年修行して香川に戻ってきてからは、イタリアンやインド料理店の厨房で研鑽を重ねました。文化や宗教により食材の調理方法、香辛料や出汁の抽出方法も違うので、より良く振り幅のある調理法を身に付けたかったんです。県外から香川県に帰ってきて改めて感じたことがあります。野菜のおいしさです。香川県の中でも県南付近の水や農作物の豊かさとおいしさに気づき、ここで暮らしたいと思いました。
 独立を考えたのは、結婚を意識し始めてからですね。妻とは大学1回生の頃高松の古着屋でバイトをしていたときに知り合いました。彼女は兵庫県出身で、中学校から高松育ちです。足掛け10年近く交際して、結婚を考え始めたのが20代後半のとき。独立するなら香川県で店をかまえようと思い住居兼店舗探しをはじめました。
 でも、根本的に食と生活のバランスの悪い都市部で店を開くという考えはあまりなかったですね。都市部に近づけば競争も激しくなり人間本来の生活や食習慣のリズムと解離してしまうような気がして。それよりは、自分自身に説得力を持つ水や空気の環境で食卓やそれに付随する文化を提供できる店を開きたいな、と。
讃岐山脈のあたりをドライブして、いい土地だと感じてはいたんです。でも、最初からまんのう町に決めていたわけではありません。水と空気、それに土が優先ポイントでした。最終的には琴平の不動産屋さんに相談して今の物件を紹介してもらい決めました。

 物件が決まってからは夫婦で壁を塗り替え、床を張り薪ストーブを設置しました。築60年くらいの物件なんですが、以前は大工さんが住んでいたということもありしっかりした躯体です。屋久杉の欄間も趣があり気に入っています。
 敷地は300坪くらいあるのですが、向かいの山の斜面100坪もおまけで付いています。タケノコや山菜などの山の恵みや山歩きもでき、日々の暮らしの中で都会にはない刺激を受けることができます。

■野菜そのものの味をかんじてほしい

 一汁三菜玄米ごはんは、2週間替わりのメインに加えて季節のスープ、その日の野菜の副菜。料理には庭で取れたハーブや木の実、野菜を鮮度を保ったまま使用しています。野菜は地域の産直市場や近隣の農家さん、また併設している百姓ミラクルという野菜や調味料などを扱う生活の店から仕入れています。
 水と空気がきれいな土地では野菜の本来の風味は強くなります。若いお客さんからは味が薄いと言われることもあるんですが、濃い味付けにしないようにしてるんです。野菜やお出汁本来の味、香りを楽しんで欲しくて。濃い味ではなく、気づかいのあるやさしい味。お母さんの味。安全な食材で土地の持つ風土を感じて楽しんでもらえたらな、と。

■かがわでの生活

 週に一回の休みの日は買出しや仕込みをすることが多いですね。働きづめで羽休めしたいこともあるんじゃないかと思われるかも知れませんが、自然や食材に溢れた里山で背伸びをせずに人間らしい食事と生活と仕事のリズムを二人と一匹で慎ましやかに日々楽しんで暮らしています。

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