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就農フェアで出会った師匠とキウイ

深井稔さん:善通寺市在住・2009年移住・~20代

真剣なまなざしでキウイフルーツをチェックする深井さん

“香川にしかない”にほれこんで ここなら世界へも挑戦できる

 「1個1,000円でも売れる、“どこにも負けない香川のキウイフルーツ”に将来性を感じた」と目を輝かせるのは、4年前に香川に移住した深井稔さん。大阪で働いていた20代、友人と「将来は農業がしたい」と夢を語り合っていたそうです。毎年就農フェアに通うも心を揺さぶられることなく半ば諦めかけていた29歳の時、今では「師匠」と慕う日本最大級のキウイフルーツ農家・島田満沖さんと就農フェアで出会ったのです。“どこにも負けないキウイフルーツ”を作ることに人生をかけた島田さんの姿に「ほれてしまった」深井さん。「もちろん不安はありました。でも、実際にやってみないと本当のところは分からない」と覚悟を決め、友人と2人で移住。

 縁もゆかりもない香川で2人を待っていたのは「全面的なバックアップ体制」と振り返ります。市役所の「地域おこし協力隊」に任命され、3年間は給料をもらいながら農業経営やキウイフルーツ栽培の基本を学びました。今では、東京の大手デパートなどに深井さんの育てたキウイフルーツが並ぶほど。今後は「自分たちのような志を持った人が参入しやすい環境を整えていきたい。香川のキウイフルーツなら全国で、いや世界でも戦える」。その目は真剣です。

「新・さぬき野」2013冬